厚銅基板とは|105µm以上の高電流対応基板が注目される理由
厚銅基板は、大電流・高発熱・高信頼性が求められる産業用途で急速に需要が高まっています。
この記事では、標準基板と厚銅基板の違い、厚銅基板が選ばれる理由、用途、材料・設計・製造のポイントまでまとめて解説します。
厚銅基板とは?一般基板との違い
プリント基板の一般的な銅箔厚は 18〜35µm(0.5〜1oz) です。
電源回路などでは 70µm(2oz) を使うこともありますが、これは“厚銅”とは言い切れません。
当社では以下のように定義しています。
- 105µm(3oz)以上 → 厚銅基板
- 210µm(6oz)以上 → 超厚銅基板
銅厚が105µmを超えると、電流容量・放熱性が大幅に向上し、電源装置、モータ制御、LEDなどの高発熱用途で効果を発揮します。
厚銅基板が求められる背景とメリット
厚銅基板が注目される理由は、電子機器の 高出力化・高密度化 によって、従来の35µmでは性能不足が発生しやすくなっているためです。
厚銅化による主なメリットは次の通りです。
● 大電流に強い
銅断面積が増え、許容電流が大きくなる。
● 発熱を抑える
パターン抵抗が低くなり、ジュール熱(I²R損失)が減る。
● 熱を拡散しやすい
厚銅パターンがヒートスプレッダの役割を持ち、熱ムラを低減する。
● 長期信頼性が向上
温度上昇が抑えられ、はんだクラックやパターンクラックの発生リスクが減る。
厚銅基板が使われる主な用途
厚銅基板は、高電流・高発熱が避けられない分野で採用されます。
- 産業用ロボット・モータドライバ
- 電気自動車(EV/HEV)のインバータ・DC-DC・OBC
- 太陽光発電・蓄電システム(パワコン)
- LED/UV-LED照射器(特に高発熱用途)
厚銅基板の材料選定で重要なポイント
性能は銅厚だけで決まりません。基材選定が非常に重要です。
● 熱伝導率
高いほど放熱に有利。ただし最終的には筐体・ヒートシンク設計も影響。
● 熱膨張係数(CTE)
銅と基材の膨張差が大きいと、パターン剥離やビアクラックの原因に。
● 耐電圧・絶縁性能
大電流用途では高電圧も扱うため、絶縁破壊を防ぐ材料が必要。
厚銅基板の製造で難しくなる点
標準基板に比べ、製造難度が大きく上がります。
● エッチング
銅が厚いほどサイドエッチングが増え、設計寸法が出にくい。
● ドリル加工
銅層が厚いとドリル摩耗が増え、穴径精度・スミアに影響。
● スルーホールめっき
均一な膜厚・密着性確保が難しく、めっき工程がシビア。
● 設計ルールの制約
パターン幅・クリアランスを大きく取る必要がある。
厚銅基板を成功させるためのポイント
厚銅基板は 材料・熱設計・回路設計・製造 が強く絡むため、総合的な検討が必須です。
- 適切なパターン幅・クリアランス設定
- 熱流を意識した放熱パス設計
- 試作〜量産で条件を揃えて品質を安定化
- 不具合解析力のあるメーカーを選定
当社(アロー産業)の厚銅基板対応
当社では以下の仕様に対応しています。
- 105µm(3oz)厚銅
- 210µm(6oz)超厚銅
- 高放熱メタルベース基板
- FGHPなど高熱伝導材料
- 多層厚銅構成
さらに、
- 大電流用途の仕様検討
- 設計段階での技術アドバイス
- 試作〜量産の一貫対応
- 不具合解析・改善提案
までサポートします。
厚銅基板に迷っている段階でも問題ありません。
用途・電流条件から最適な構造をご提案します。

