プリント基板における放熱特性とは?

放熱特性を向上させることは、プリント基板業界において非常に重要な課題です。

放熱特性が優れていると、電子機器の信頼性と寿命が向上します。

この記事では、放熱特性を向上させるための3つの主要な方法について解説します。

①熱伝導率を視点にして基板構成材料を比較検討する。

まず、熱伝導率の向上についてですが、これは材料が熱をどれだけ効率よく伝えるかを示す指標です。

例えば、銅やアルミニウムなどの金属は非常に高い熱伝導率を持っており、これらの材料を使用することで、プリント基板の熱を効率的に拡散させることが可能です。

特に銅ベースやアルミベースのメタルベース基板は、熱伝導率を大幅に向上させますが、メタルベース基板の絶縁層の熱伝導率も重要であり、高放熱性の絶縁層を選択することで、基板全体の熱伝導性をさらに高めることができます。

②熱放射を視点にして基板構成材料を比較検討する。

次に、熱放射の最適化です。熱放射は、材質の表面から熱エネルギーが電磁波として放出される現象を指します。

放熱を促進するためには、表面積の増加や、表面の粗さを調整することで、熱放射を最適化することが可能です。

サーマルビアの利用や金属板表面の粗化は、熱放射効率を高める効果的な手段となります。

③対流について考える。

最後に、対流の促進は、温度差によって生じる流体の動きを通じて熱が運ばれる現象です。

プリント基板の設計において、空気と接触する表面積を増やすことで、対流を通じた放熱を促進できます。

ヒートシンクの形状の工夫や、製品全体の空気の流れを考慮することで、対流を最大限に活用することが可能です。

組み合わせの重要性

これら3つの方法を単独で用いるだけでなく、それらを効率的に組み合わせることが放熱特性を大幅に向上させる鍵です。

熱伝導率の高い材料の使用、放熱面の表面積を増やす工夫、そして空気の流れを最適化することで、プリント基板や電子機器の全体的な性能と信頼性を向上させることができます。

これにより、電子デバイスの性能維持と寿命延長に不可欠な効果的な熱管理が実現可能となります。