プリント基板製造におけるデスミア処理の重要性とそのプロセス
プリント基板(PCB)の製造において、デスミア処理は回路の信頼性を大きく左右する重要な工程です。
この処理を正しく行うことで、スルーホールの導通不良や断線を防ぎ、高品質な基板を実現します。
デスミア処理とは?
デスミア処理とは、ドリル加工後のスルーホール内に残る樹脂や汚染物質(スミア)を除去する工程です。
スミアは、ドリルの熱や摩擦により樹脂が溶融して銅箔表面に付着したものです。
これを放置すると、銅メッキの密着不良や導通不良を引き起こし、最終的な基板性能に悪影響を与えます。
デスミア処理の主な方法
① 物理的処理
代表的な方法にプラズマ処理やサンドブラストがあります。
これらはスミアを物理的に除去し、穴壁面を清浄化する手法で、微細加工基板や高密度基板にも適しています。
② 化学的処理
一般的には過マンガン酸(KMnO₄)溶液などを用いた化学処理が主流です。
酸化剤によって樹脂を分解し、表面を軽くエッチングすることで銅めっきの密着性を高めます。
最近では、アルカリ系・過酸化水素系の環境対応型デスミア液も増えています。
デスミア処理の目的と効果
| 目的 | 効果 |
|---|---|
| スミア除去 | 導通不良・断線の防止 |
| 穴壁面の活性化 | メッキ密着性の向上 |
| 洗浄と粗化 | 電気的信頼性の向上 |
| 表面改質 | 製品寿命・品質の安定化 |
デスミア処理を適切に行うことで、スルーホール内のメッキが均一になり、長期信頼性が確保されます。
現代のPCB製造における課題
近年、高密度多層基板や微細ビア構造の普及により、
デスミア処理の難易度は大幅に上がっています。
わずかな残渣でも信号断線の原因となるため、化学反応の制御・洗浄効率・プロセス安定性が求められます。
まとめ:信頼性を支える不可欠な工程
デスミア処理は、プリント基板の品質と信頼性を支える重要な前処理工程です。
正しい条件管理と薬液メンテナンスにより、導通品質を安定化し、長寿命で高性能な基板を実現します。
プリント基板メーカーにとって、デスミア処理はまさに「見えない品質の要」と言えます。


