プリント基板で気を付けたい不良 その①

今回はプリント基板で稀に起こってしまう不良を取り上げてみたいと思います。

プリント基板の不良を大別すると以下の3つに分かれます。

・機能的な不良

・層構成での不良

・その他の不良

今回は、【機能的な不良】について説明していきます。

機能的な不良

プリント基板の最も重要な役割は、形成した回路上に電気を通し、実装したコンデンサ/抵抗/半導体等の電子部品に信号や電力を伝え、電子部品が目的通りに働く事です。

導通に関する不具合があれば、これらが機能しなくなってしまいます。

※導通:電気的につながっていること。

 

断線/ショート

本来の狙い通りの回路が形成されていない状態です。必要な部分の銅がエッチング時や、何らかの要因で削られて断線してしまったり、不要な銅が残りショートしてしまったりといった現象です。

パターン露光/印刷時のフィルム上/版上の異物、印刷/露光時のズレ、現像過不足、エッチング過不足、設計上のミス等により発生します。

 

スルーホール内の異常

・スルーホール加工異常

NCドリル時に、ドリルビットが折れてしまったり、適切なドリルビットが選択されていなかったり、ビットに不具合があったなどによって穴内の加工に異常があるとスルーホール内に銅めっきが上手く析出せず、スルーホール断線(層間の導通不良)を引き起こすことがあります。

・めっき異常

めっき液の管理不足や設備的な不具合などにより、銅めっきの析出が不十分となり、スルーホール断線を引き起こすことがあります。また、パターン上のランドが切れているとエッチング液が穴内に入り込み、スルーホール断線を引き起こすことがあります。

・クラック

穴の入り口のコーナー部分のコーナークラック、穴の内壁のバレルクラック、内層銅箔との接合部分のクラックなどめっき層に割れが発生することを指します。

・レジンスミア

NCドリル加工時、溶けた樹脂が穴の内壁に付着して、スルーホールメッキと内層銅箔の電気接続を阻む現象を指します。


非常に簡単ではありますが、プリント基板の不良その①でした。

 

【層構成での不良】、【その他の不良】については、次回記事にて紹介しますので、合わせてお読みいただけますようよろしくお願いします。