プリント基板で気を付けたい不良 その②

前記事【プリント基板のよくある不良の種類-その①】に続き、プリント基板でよくある不良を取り上げます。

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1.層構成での不良

プリント基板の層間や絶縁層、絶縁層と銅はく間などに剥離等が発生すると、プリント基板としては致命的となり、製品として使用出来ません。

・クレイジング

機械的なストレスにより、主に織り繊維の交点からガラス繊維が樹脂から剥がれる現象です。クレイジングが発生した基板の表面からは内部が白く見えます。

・ミーズリング

熱ストレスにより、主に織り繊維の交点からガラス繊維が樹脂から剥がれる現象です。クレイジングと同様ミーズリングが発生した基板の表面からは内部が白く見えます。

・ボイド・膨れ

積層プレス時に異物が混入したり、空気が入り込む事で気泡が発生したりなどによりボイドと呼ばれる空間が出来てしまう層間剥離の一種です。

・層間剥離(デラミネーション)

プリント基材内部の層間での剥離、基材と導電はく(箔)間の剥離、その他プリント基板に発生する全ての平面状の剥離の事です。

・ハローイング

主に金型プレスによる物理的なストレス、黒化処理等による化学的な力などにより、絶縁基板表面又はその下に生じた破壊又は層間剥離の事で、通常穴又はその他機械的な加工を受けた箇所(端面等)の周囲に白く現れます。

なお、内層に発生した場合は表面から白化が見えづらくなります。

2.その他の不良

機能的な不良・層構成での不良以外にも下記の様な不良があります。

代表的な不良の種類を列記します。

・打痕

落下や外的な衝撃などの物理的なストレスにより、基板表面に打痕が発生する事があります。

・ソルダーレジスト・シンボル等に関する不良

ソルダーレジストやシンボルの、ズレ/かすれ/抜け/滲み等、製品として使用に適さない不良が発生する場合があります。

原因としては、版やフィルムのセット時のズレ/現像の過不足/乾燥の過不足/インク塗布時の異物の混入等が挙げられます。

・外形加工に関する不良

外形加工時にルータービットの歪みや折れ、適切なビットが選択されていなかった等により、外形寸法の公差外れや端面の仕上がり異常等が発生する事があります。

また、Vカット時にV溝を深く入れ過ぎると、先割れを引き起こします。

以上、プリント基板でよく見られる代表的な不良についてでした。

アロー産業では、品質に関する様々な取り組みを行っており、不良を作らない・流出させない様、日々邁進しております。

プリント基板の品質についてお困り事がございましたら、是非ともアロー産業までご相談ください。