ドリル径はどう決める?
穴あけって、そんなに奥が深いの?
プリント基板に欠かせない加工のひとつが穴あけ(ドリリング)。
部品のリード線やビア用の穴をあける工程ですが、「ただ穴をあけるだけ」と思ったら大間違い。
実はドリル径の選び方ひとつで、品質もコストも大きく変わるんです。
今日はその裏側を、ちょっとだけお見せします。
そもそもドリル径ってどうやって決めてるの?
ドリル径の決定には、大きく分けて3つの要素があります。
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部品リード径
部品の足(リード)より少し大きい穴をあけるのが基本。
例:リード径0.6mm → 穴径0.8mm前後。 -
めっき厚みの考慮
スルーホールはめっき後に穴が小さくなるため、加工段階では少し大きめにあけます。
例:仕上がり0.8mm → 加工径0.85〜0.9mm。 -
設計ルールや規格
IPC規格やUL規格などの基準を満たす必要があります。
小さすぎても、大きすぎてもNG
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小さすぎる穴 → 部品が入らない、はんだ不良が起きやすい。
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大きすぎる穴 → はんだ量が増え、熱ストレスでクラックが起きやすい。
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中途半端な径 → 工具在庫が増えて管理が大変。
現場では、よく使う径をある程度固定し、必要に応じて追加するのが定石です。
NC加工現場のリアル
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ドリルは超硬製で、摩耗具合も穴径に影響します。摩耗限界を超えると穴径が小さくなり、不良の原因に。
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1本のドリルであけられる穴数には上限(例えば0.2mm径なら数千穴程度)があり、管理ソフトで交換タイミングを自動管理。
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板厚や材質によって切削条件(回転数・送り速度)も変えています。
コストとのバランス
ドリル径をやたら増やすと、工具の種類が増え段取り時間もアップ。
逆に径を減らしすぎると、無理な部品合わせや品質リスクが増えます。
「必要最小限の工具構成で、必要十分な品質を確保する」
これが現場での最適解です。
ドリル径の決定は、部品仕様・めっき収縮・規格・工具寿命など、複数の条件を天秤にかけて決めています。
NC加工は、ただプログラム通りに穴をあけるだけではなく、経験とデータの積み重ねが品質を支えています。
アロー産業でも、多品種小ロットの中で最適なドリル構成を組み、安定した品質の基板をお届けしています。


