プリント基板用語でよく聞く”エッチング”って何?

今回は、半導体の製造においてよく出てくる用語「エッチング」について紹介していきます。

「よく目にするワードだけど、結局どういう事するの?」

「用語の意味は知ってるけど、具体的な作業内容はよく知らないな…」

という方も安心してご覧いただける内容となっております。

エッチングとは

金属基板表面を指定されたパターンの形にするプリント基板製造の工程で最も重要なものの1つです。

銅を化学反応によって腐食させることで、指定した形になるように加工します。

配線部分と絶縁部分に仕分けるため、この工程でミスが出ると、即不良へつながるため、大変重要な工程になります。

原理

エッチングのしくみ、原理

エッチング前工程

化学式

塩化第二鉄は多くの金属に使用できるエッチング液として知られています。特に銅や鉄に対するエッチング液としては広く使われています

エッチングの使用方法

使用するもの

  • パターンフィルム

エッチングによって反応させたくない箇所にフィルムをかぶせて一時的に隠します。

最終的にマスクフィルムで隠した部分がプリント基板の配線部分になります。

絶縁部から不要な銅を除去した後、先程かぶせたマスクフィルムを除去します。

  • エッチング液

エッチングをエッチングたらしめるのがこのエッチング液です。いわばエッチング工程の主人公です。

銅と化学的に反応して腐食させ、不要な銅を除去します。

目的に応じて使用するエッチング液が変わります。

具体的な手法

回路形成方法には大きく2つの手法が用いられます。

1. サブブトラクティブ法

サブトラクティブ法(引き算型)

2. アディティブ法

アディティブ法(足し算型)

より詳細な方法についてはこちらのリンクから

評価基準

エッチングの工程が終わった後は性能評価を行います。

  • 深さ/横 方向のエッチング量

エッチングが深さ方向(立て)に進行するとき、同時に横方向も進行してしまいます。(サイドエッチ)この深さ方向と横方向の比率をエッチファクタといいます。

エッチファクタ エッチングの方向(左) 下地(金属板)までのエッチング方向(右)

導体幅測定

導体幅測定 測定幅

エッチング後の配線部分についてトップ幅、ボトム幅を計測して下記の関係式で算出します。

いかがでしたか?

今回は半導体を作る上で非常に重要なエッチングという工程についてご紹介しました。

本記事が少しでも参考になりますと幸いです。

アロー産業では、本記事でご紹介したエッチング技術を活かし、インピーダンス制御基板、高電圧・大電流対応基板も製造しております。

基板についてお悩みの際は是非ともご相談ください。

参考文献

本当に実務に役立つ プリント配線板のエッチング技術

雀部俊樹/石井正人/秋山政憲 [著]