産業用UVプリンタ向け:白反射レジスト×ハイブリッド基板で硬化とメンテを両立する設計

産業用UVプリンタでは、印字品質以上に
稼働率・停止時間(ダウンタイム)・保守性・TCO(Total Cost of Ownership)
が評価指標として強く働きます。
特にUV硬化領域は光と熱の双方のストレスを受けるため、制御・コネクタ側の劣化が先行し、交換作業がTCOに直結するケースが多く見られます。

本記事では、
白反射レジスト(UVR-250K)+ハイブリッド基板(銅+FR-4)
を用いたUV硬化用途向けの基板設計について解説します。

UV硬化用途の課題:光・熱・経年・交換

UV硬化用途では以下が課題になります。

  • 紫外線照射による経年劣化
  • 熱負荷による材料変質
  • コネクタの先行劣化
  • 交換作業による停止時間
  • 再評価や設定復元の手間
  • TCO(Total Cost of Ownership)

UV硬化用途は初期性能より経年性能で製品が選ばれる点が特徴です。

白反射レジスト(UVR-250K)の経年安定性

UVR-250Kは365nm領域で90%以上の反射率を持ち、
UV照射により反射率が100%近傍へ向上する特性を示します。
UV照射2000時間後でも反射率低下や変色は確認されず、
150℃×2000時間の耐熱試験でも変色やクラックはありません。

これは産業用途における硬化ウィンドウの安定性に寄与し、
印字ムラ・硬化ムラ等の経年要因を低減できます。

→ 製品ページ:
https://arrow-sg.co.jp/product/uv-reflective-pcb/

耐UV高反射レジスト UVR-250K 技術データ

項目内容 / 試験条件結果
紫外反射率365nm(初期値)90%以上
紫外反射率254nm(初期値)80%以上
UV照射後反射率365nm初期90% → 暴露後100%近傍
耐UV変色UV照射 2000h変色なし/反射率低下なし
耐熱変色150℃ 2000h変色なし
耐熱変色300℃ 500h変色なし
熱サイクル-20℃ ⇔150℃ ×5サイクル剥がれ・変色なし
鉛筆硬度JIS K5600-5-42H
密着性JIS K5600-5-6分類1
耐溶剤IPA 10分浸漬剥がれなし
耐酸性H2SO4 10% 30分剥がれなし
耐アルカリNaOH 5% 30分剥がれなし
耐はんだ260℃ 20sec変色なし
耐電圧20µm300V 10mA 2sec
耐電圧40µm500V 20mA 2sec
低分子シロキサンD4〜D10検出なし(閾値未満)
RoHS2材料照合適合
塗布方法スクリーン印刷可(20µm目安)

(基板:FR-4 t=1.6mm、Cu18µm、膜厚20µm前後、20mm角)

低分子シロキサンが検出されない点は、レンズ・ヘッド・マスクを有する装置にとって重要で、油膜汚染(スモーク/シロキサン汚染)リスクを低減します。

ハイブリッド基板で硬化側と制御側を分離する

UV硬化領域と制御領域をハイブリッド基板(銅+FR-4)で分割することで、

  • UV照射:金属ベース+白反射レジスト
  • 制御・信号:FR-4側へ退避
  • コネクタ:裏面配置で劣化抑制

が可能になります。

UV硬化側と制御側は寿命差が大きく、
産業用途では片側交換が成立する分割構造が有効です。

→ 製品ページ:
https://arrow-sg.co.jp/product/copper-glass-epoxy-hybrid-pcb/

産業UVプリンタに適する理由

産業用UVプリンタは卓上機と異なり
“壊れたら買い替え”ではなく
“壊れたら交換”が成立します。

評価される指標は

  • 稼働率(アップタイム)
  • 停止時間(ダウンタイム)
  • モジュール交換性
  • 評価/設定の復元性
  • 経年安定性
  • TCO

白反射×ハイブリッド構造は
硬化側の寿命と制御側の寿命の差を吸収し、
交換ユニット化 → TCO低減に繋がります。

新規開発案件との相性

新規産業用UVプリンタの仕様検討では

  • 硬化方式(COB/バー/面)
  • 波長(365/385/395/405)
  • 出力
  • 評価方法
  • 経年データ
  • 交換性
  • 試作治具

などが初期段階で固まりにくい領域です。

本構造は方式依存性が低く、
試作→評価→仕様調整の往復に向いています。

まとめ:UV硬化用途は経年と交換性で決まる

白反射×ハイブリッド基板は

  • 経年による硬化ウィンドウ維持
  • コネクタ劣化の抑制
  • 交換ユニット化によるTCO低減
  • 方式不明段階での仕様検討に適合

を狙ったアプローチです。

UV硬化用途では初期スペックではなく
経年性能+交換性が意思決定を左右します。

試作・技術相談

UV硬化用途の基板については、
小ロット試作・技術検討・評価治具製作にも対応可能です。

試作・技術相談はこちら
https://arrow-sg.co.jp/proto-contact/