基板はなぜ緑色なのか?
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プリント基板と聞くと、
「緑色の板」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実際には、赤・青・黒・白など、さまざまな色の基板が存在します。
それでもなお、緑色が圧倒的に多いのには、きちんとした理由があります。
基板の「色」の正体はソルダーレジスト
プリント基板の表面に見える色の正体は、
**ソルダーレジスト(レジストインク)**です。
ソルダーレジストの主な役割は以下の通りです。
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配線パターン(銅箔)の絶縁
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外部からの保護(防塵・防湿)
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銅箔の酸化防止
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はんだ付け時の不要なはんだ付着防止
つまり、見た目のための色ではなく、機能部材です。
なぜ「緑色」が選ばれてきたのか
理由はひとつではありません。
製造現場・品質・コストのバランスで緑色が最適解だった、という話です。
① 目視検査との相性が圧倒的に良い
プリント基板の製造工程では、
AOI(自動光学検査)だけでなく、人の目による検査も行われます。
緑色は、
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人間の視覚が最も感度良く認識できる波長帯
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長時間見続けても目が疲れにくい
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銅箔・はんだとのコントラストが取りやすい
という特性があります。
そのため、
欠陥の見逃しが起きにくく、検査品質を安定させやすい
という大きなメリットがあります。
② 製造実績が多く、品質が安定している
日本国内では長年、
緑色ソルダーレジストが標準として使われてきました。
その結果、
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インク特性のデータが豊富
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塗布・露光・現像条件が最適化されている
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不具合発生時の対処ノウハウが蓄積されている
という状態が出来上がっています。
つまり緑色は、
「失敗しにくい色」でもあるのです。
③ コストが最も安定している
使用量が多い=量産される、ということです。
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材料単価が安い
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調達が安定している
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特注対応が不要
結果として、
他の色に比べてコストを抑えやすい
という実務的な理由もあります。
他の色が使われるケース
もちろん、用途によっては緑色以外が選ばれます。
■ 黒色レジスト
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LED実装基板などで発光を引き締めたい場合
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外観重視の製品
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光の反射を抑えたい用途
■ 白色レジスト
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LED照明用途
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反射率を高めたい場合
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実装状態を見やすくしたい場合
■ 赤・青などの色レジスト
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製品識別
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デザイン性
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試作・評価用途
ただし、
色を変える=材料特性・検査性・コストが変わる
という点は設計段階で考慮が必要です。
緑は「無難」ではなく「合理的」
緑色ソルダーレジストが多いのは、
単なる慣習ではありません。
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検査性
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品質安定性
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コスト
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製造実績
これらを総合的に見て、
最も合理的だった結果が「緑」なのです。
ソルダーレジストの塗布方法はこちら。
ソルダーレジストの塗布方法
以上、基板はなぜ緑色なのか?でした。



