厚銅基板の定義

厚銅基板の定義|高電流・高放熱を実現する銅厚105µm以上の基板

厚銅基板は、回路設計や電源設計で高電流・高放熱・高耐久性が求められる用途に用いられるプリント基板です。
一般的な銅箔(18〜70µm)よりも厚い、105µm以上の銅箔を使うことで性能を大幅に向上させています。


■ 厚銅基板とは

厚銅基板とは、銅箔厚105µm以上の銅を使用したプリント基板のことを指します。
銅厚を増やすことで以下の性能が強化されます。

  • 大電流耐性の向上
  • 優れた放熱性能
  • 導体の信頼性向上(焼損リスク低減)

高電流ラインや高発熱デバイスを扱う機器において欠かせない基板構造です。


■ 厚銅基板の特性

● 熱伝導率が高く、放熱性が強い

銅は金やアルミよりも熱伝導率が高いため、銅厚を増すことで基板の熱拡散性能が飛躍的に向上します。
高発熱デバイスの温度上昇を抑え、電子部品の寿命を延ばします。

● 大電流ラインに最適

銅厚が厚くなるほど電流容量が増し、基板焼損や電圧降下を抑制します。
電力回路、車載電源、インバータなどに最適です。


■ 厚銅基板の用途

厚銅基板は以下のような用途で大きな効果を発揮します。

  • 車載機器(大電流電源ライン)
  • パワーエレクトロニクス(DC/DCコンバータ、インバータ)
  • 高輝度LED・UV LEDなどの高発熱デバイス
  • 産業機器の制御基板
  • 熱拡散と信頼性向上を求める電源回路

高発熱・高電流の環境下でも安定して動作させたい場合に必須の基板です。


■ 厚銅基板の設計パラメータ

設計上の一般的な目安として、
銅箔厚35µm → パターン幅1mmあたり約1Aが流せると言われています。

銅厚を105µm以上にすることで電流容量は大幅に向上します。

設計では以下のパラメータを調整することで目的に合わせた基板が作れます。

  • 銅厚
  • パターン幅
  • 流れる電流値
  • 放熱パッド・サーマル構造の有無

■ 厚銅基板の製造プロセス

厚銅基板は、専用の厚銅箔付きコア材を使用し、通常より強いエッチング処理でパターンを形成します。

主な工程は以下の通りです。

  1. 厚銅箔付きコア材の準備
  2. ドライフィルム貼付
  3. 露光・現像
  4. 強エッチングでパターン形成
  5. 積層・プレス
  6. 表面処理・仕上げ

銅が厚い分、エッチング性・加工性・絶縁耐圧に注意した設計が必要です。


■ 設計時の注意点

● リフロー時の熱容量

厚銅基板は熱容量が大きく、
部品密度が高いとリフローでのハンダ溶融が不均一になることがある。
部品配置や開口条件を調整する必要があります。

● 広いベタパターン

広いベタは熱が逃げにくく、ハンダが溶けにくくなるため、
サーマルランドの採用が有効です。


■ まとめ

厚銅基板は、銅厚105µm以上を使用することで、
大電流・高放熱・高耐久性を実現するプリント基板です。

電力制御、車載、LED、産業用途など、厳しい環境での信頼性を確保するために欠かせない基板形式です。
適切なパターン設計と部品配置により、厚銅基板の性能を最大限に引き出すことができます。

🔍 関連記事おすすめリンク