基板の外形加工の方法について(NCR、金型プレス)

今回は、プリント基板の外形加工の方法・種類について書こうと思います。

プリント基板の外形加工では主に2種類の加工方法があります。

 

NCNumerical Control)ルーター加工 

(試作、小ロット~中ロット向け)

側面に刃のついたドリルのようなルータービットを使い、基板端面をなぞるように加工していく方法です。

データ編集費、ドリルビットの交換本数、加工時間などを考慮し外形加工費を算出しており、金型プレスのように初期費用が高額になることはなく、小ロット(試作)など少量多品種生産に向いています。

データを変更するだけで容易に加工調整が行え、精度が必要な場合などにも向いています。また、加工面がきれいに仕上がります。EC向け製品、半導体製造装置等、ゴミを嫌う場合はルーター加工を選ばれます。

※ドリルビットの寿命が短く、また加工時間も掛かるため、中ロット~大ロットの製品ではコストが大きくなる傾向があります。

 

金型プレス加工 

(中ロット~大ロット向け)

・紙フェノール材料の基板を加工する場合は、すべての穴とミシン目やスリット部分を一括してパンチング加工する場合が多いです。

※紙フェノールを加工する場合は、あらかじめ基板を温めてから加工しないと、不良の原因となる白化や虫食い現象が起こってしまう為、注意が必要となります。

・FR-4やCEM-3などのガラスエポキシ材料を加工する場合は、小さい穴は加工できない為スルーホールやミシン目はあらかじめNCドリルにて加工しておきます。

ガラスエポキシ材料の場合はプレス時に温める必要はなくそのままの状態で加工することが可能です。

NCルーター加工に比べ加工時間が短く、一度に加工できる数量で勝る為、大ロットの製品や外形が複雑でNCルーターでは加工時間がかかってしまう基板には、金型プレスでの加工が向いています。

金型作成の初期費用はかかりますが、加工費が安く、ランニングコストが抑えられます。

※外形端面の仕上がりに関してはNCルーターに比べプレスをする際に端面にストレスがかかってしてしまうためクリアランス調整が悪いと白化しやすくなります。

 

以上プリント基板の外形加工の方法についてでした。


弊社では、製品のトータル製造数・販売期間・リピート時の発注数量を考慮し、最適な外形加工の方法を提案しております。