フェーン現象とヒートパイプ

8月も後半に入り、少し暑さも和らぎつつありますが、相変わらず暑い日が続いております。

当社は鳥取市にある会社で、日本海側の気候(夏は特に暑く、冬は雪が多い)となっております。

この夏は梅雨明けも早く(本当に梅雨明けしていたのかはさておき)、連日猛暑が続いておりましたので、日本海側と太平洋側の各観測地点で、この夏の猛暑日(最高気温が35.0℃以上の日)を記録した日数(8/22現在)と参考として昨年2021年の猛暑日を記録した日数を調べてみました。

(気象庁のデータより)

日本海側 2022年(2021年)
米子(鳥取県)20日(5日)
鳥取(鳥取県)18日(12日)
豊岡(兵庫県)25日(12日)
舞鶴(京都府)18日(8日)
小浜(福井県)17日(14日)
富山(富山県)18日(4日)
太平洋側2022年(2021年)
東京(東京都)16日(2日)
横浜(神奈川県)5日(1日)
静岡(静岡県) 5日(2日)
和歌山(和歌山県)6日(2日)
高知(高知県)2日(0日)
鹿児島(鹿児島県)5日(3日)

いかがでしょうか?

冬場は雪が多く寒さも厳しい日本海側ですが、なんと夏場は、南国とも言われる高知や鹿児島よりも猛暑日が多いのです…辛い(-_-;)

上記に挙げた日本海側の観測地点は、地形等の関係でフェーン現象(※)の影響を受けやすい地域とされております。

※フェーン現象…乾燥した空気が上昇する時に気温が下がる割合(乾燥断熱減率)と湿った空気が上昇する時に気温が下がる割合(湿潤断熱減率)の差により起こる。

太平洋高気圧や台風等がもたらす湿った南風が脊梁山脈と呼ばれる日本列島の背骨のような山脈に当たり、雲が発生する事で乾いた風となり、山から吹き下ろされる乾いた風は山を越える前の湿った風よりも高い気温となる。

水(液体)の存在により温度(熱)が変わる、身近な例でした。


さて、電子部品業界においても、液体により熱を高速で移動させる技術が使われています。

ヒートパイプと呼ばれる放熱部品です。

ヒートパイプとは、金属管の中に封入された作動液と呼ばれる液体が蒸発し気体になるときに吸収、または気体が凝縮し液体になるときに放出する熱エネルギーを利用して、ある場所の熱を離れた別の場所に高速で伝えることができる部品です。

熱伝導率の高い銅やアルミよりもさらに高速で熱を移動させる事も可能です。

このヒートパイプはPC等の様々な電子機器に使用されており、ヒートシンクや冷却ファン等と組み合わせる事で電子機器を熱から守っています。

今回は放熱技術の一例としてヒートパイプを取り上げました。

この夏の暑さもヒートパイプで何とかならないものかと…(;^_^A


当社では、種々の放熱技術を培っており、お客様の熱のお悩みに日々向き合い、お悩み解決の手助けをしております。

熱問題でお悩みの際は、是非ともアロー産業へとご相談ください。