今注目の厚銅基板とは

厚銅基板は高電流・高放熱・高耐久性などの特徴を持ち、産業用途や軍事用途などで幅広く活用されています。

通常の基板の銅箔厚が35~70μmであるのに対し、厚銅基板では銅箔厚が105μm以上の構成となっているものが呼ばれています。

一般的には、銅の厚さが増えると電流容量や放熱性能が向上しますが、コストや重量も増加しますので、用途に応じて必要な電流容量や放熱性能を満たす銅の厚さを選ぶことが重要となります。

厚銅基板は大電流や高放熱性能が必要な用途に適しており、以下のような分野で利用されています。

産業用ロボット

産業用ロボットには、高い出力や効率を得るために大電流が必要であり、同時に動作中の発熱を防ぐためにも放熱性能が重要です。

電気自動車やハイブリッドカー

電気自動車やハイブリッドカーでは、バッテリーやモーターの電子制御に大電流が必要であり、省エネルギーや安全性のためにも放熱性能が重要です。

太陽光発電

太陽光発電では、太陽電池から発生する大電流を効率的に変換するために大電流対応の基板が必要であり、同時に発熱量を抑えるためにも放熱性能が重要です。


続いて、厚銅基板を製造する上でポイントになる点をいくつか挙げてみます。

基板材料は銅層と一体化しているため、その基板材料の特性が大きく影響されていきますが、基板材料には様々な種類があり主に以下のような点で異なります。

熱伝導率

熱伝導率が高いほど放熱性能が高くなります。

しかし、熱伝導率が高すぎると基板全体の温度差が小さくなり、部品間の信頼性や耐久性に問題が生じる可能性もあります。

熱膨張係数

熱膨張係数は温度変化による基板の膨張・収縮を表します。熱膨張係数が大きいほど基板や部品に応力がかかりやすくなります。

特に銅層と基板材料の熱膨張係数の差が大きい場合は、剥離やクラックの原因となります。

耐電圧

耐電圧は基板上で発生する電圧に対する耐久力を表します。

耐電圧性能(絶縁抵抗)が低い場合は絶縁不良やショートなどの故障を引き起こす可能性があります。


厚銅基板は小型部品でありながら大きな電流を使わなければならない製品の部品として需要が高まっています。

しかし、厚銅基板は一般的な基板よりも製造工程や品質管理の難易度は上がります。

特に厚銅箔をエッチングする工程では、均一なパターン形成やバリ取りに注意しなければなりませんし、穴あけ工程ではドリル刃先の摩耗や穴径精度に問題が生じる可能性が出てきます。

ですので、厚銅基板を製造するには高度な技術力とノウハウ、加工に適した設備が必要となります。


このような課題を解決するためには、専門的かつ経験豊富なメーカーと協力することが重要です 。

実績が豊富なメーカーやサプライヤーは、多様な用途や仕様に対応できるだけでなく、トラブル時にも迅速かつ適切な対応を行うことができます。

それは、顧客のニーズやフィードバックを反映した改善や開発を継続的に行い品質や性能の向上に努めているからです。

当社では、お客様の要望に応じたカスタマイズやアフターサービスも提供しております。

厚銅基板の選択にお困りの方は、当社までご相談ください。