基板のエッチングについて

以前から言われていることですが、近年、電子機器の高速化・ハイパワー化(高電圧、大電流、高周波)が求められています。

今回は、高速化・ハイパワー化に対応した基板を製造する上で重要となる工程のエッチングについて書いてみようと思います。

エッチングとは・・・

化学薬品などの腐食作用を利用し金属を溶解させる表面処理方法です。

プリント基板の製造工程で一般的な工法としてサブトラクティブ法(エッチング法)が使われています。

この工程は、プリント基板を作る上で、非常に重要な工程の1つとなります。

エッチングの前工程で、銅張積層板にレジストやドライフィルムを貼り付け、露光・現像をすることによりエッチング液による腐食作用から必要な銅箔部分を保護し回路パターンを形成していきます。

エッチング管理が重要!

一般的なプリント基板には、35μmの銅箔が使われていますが、高電圧・大電流に対応したブリント基板では、更に厚い銅箔(105μm以上)を要求されるケースが増えてきています。

また、高速回路では、インピーダンスコントロールを必要とする回路が多く、指定されたパターン幅、パターン間隔を要求され、高いエッチング精度が必要となっています。

エッチングによる溶解反応は、エッチング液の種類(塩化第二鉄 塩化第二銅 アンモニア系水溶液など)、温度、スプレー噴射圧、コンベアの移動速度などを管理する必要があります。

上記の管理をしつつ、銅箔の厚さごとにエッチング条件を決めることで通常の基板から深堀エッチング等の厚銅基板を製造することが可能となります。

サンドイッチ?

深堀エッチングで気をつけなければならない事は、サイドエッジによる導体の食われがあります。

理想の導体パターンとしては、トップとアンダーが垂直になったものですが、実際には、腐食の反応速度や液の劣化などがあるためサイドエッジが起こってしまいます。

コンベアのスピード調整、新液を素早く供給する方法など、各社いろいろな方法でサイドエッジを最小限に抑える工夫をし、トップとアンダーの差を制御し厚銅基板などの製造を行っております。

今後さらに微細パターン~厚銅パターンまで幅広く基板のパターンニング精度が要求され、エッチング工程の重要性が高まってまいります。


アロー産業では、長年培ってきたエッチング技術を活かし、インピーダンス制御基板、高電圧・大電流対応基板も製造しております。

基板についてのお悩みが有りましたらお気軽にご相談ください。