両面スルーホールメタル基板


両面スルーホールメタル基板は、電子部品の発熱問題や限られたスペースへの配慮が必要な電子機器向けに開発された、先進的なプリント基板です。

この基板の核心は、アルミニウムや銅のような金属でできた中心部、つまり「金属コア」にあります。

金属コアの採用により、基板は熱を効率的に外へ逃がすことができ、これが高い熱伝導性を実現しています。

両面スルーホールメタル基板1

具体的には、この基板は二段階のドリル工程を経ています。

まず、絶縁目的で標準より大きな穴を開け、その穴を樹脂で埋めます。

次に、その樹脂を通して、もう一度穴を開けて銅めっきを施すのです。

これにより、部品や配線を基板の両面に配置できるようになり、スペース効率の向上と複雑な回路設計が可能になります。

また、金属コアは基板の電気的グランドとしても機能します。これは電子機器の電気的安定性を高めるのに役立ちます。

この両面設計と金属コアの利用により、特に熱を発生させやすい電子部品を使用する際に、効果的な放熱解決策を提供します。

簡単に言うと、両面スルーホールメタル基板は、高い放熱性能を持ち、電子機器の省スペース化と複雑なデザイン要求に応える革新的なプリント基板技術です。

特徴と利点

  • パターン配線制約条件の緩和: 両面スルーホール技術を用いることで、片面基板に比べて配線の自由度が高まり、複雑な回路設計が可能になります。
  • 部品搭載制限の緩和: 高い放熱性能を持つメタルベースを使用することで、熱が問題となる部品も安心して搭載できます。

用途の広がり

  • LED照明: LEDは高い効率を持ちながらも熱を発生させるため、放熱性が重要です。メタルベース基板は、この熱を効果的に管理し、LEDの寿命を延ばします。

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